交通事故は弁護士に依頼した方がいい？判断基準と依頼するメリットを解説

2025年12月17日

突然遭遇する交通事故。心身のダメージだけでなく、その後の加害者や保険会社とのやり取りは大きなストレスとなり、被害者をさらに苦しめます。

「保険会社から提示された示談金は適正なのか？」「交渉が面倒だから任せてしまっていいのか？」と不安に感じる方は多いでしょう。

特に、交通事故の示談交渉は、法律の専門知識や交渉スキルが結果に直結するため、弁護士に依頼するかどうかが、最終的に受け取れる賠償額や解決までのスピードを大きく左右します。

本記事では、あなたが「弁護士に依頼すべきか」を後悔なく判断できるように、依頼する明確な基準、保険会社に任せることの潜在的なリスク、そして弁護士に依頼することで得られる具体的なメリットを徹底的に解説します。

交通事故の被害者が弁護士に依頼すべきか判断する3つの基準

交通事故に遭った場合、被害者が弁護士に依頼すべきか判断する明確な基準が存在します。

以下の3つのうち、一つでも該当する場合は、専門家への相談を強く推奨します。

交通事故の賠償金（示談金）には、大きく分けて以下の3つの算定基準があります。

保険会社が最初に提示してくる示談金は、ほとんどの場合、低い任意保険基準に基づいて計算されています。

この金額に納得がいかない場合、弁護士に依頼することで、最も高額な「弁護士基準」を適用して交渉できるようになり、慰謝料が2倍から3倍に増額する可能性が高まります。

交通事故の治療期間や症状固定後の示談交渉は、専門用語が多く、長期にわたります。

このような交渉や手続きを全て自分で進めることに負担を感じるなら、精神的負担を軽減するためにも弁護士への依頼が有効です。

示談交渉において、賠償額を減らす最大の要因の一つが過失割合です。

保険会社は過去の事例や道路交通法に基づいて過失割合を提示しますが、その主張が必ずしも現場の状況を正確に反映していない場合があります。

提示された過失割合（例：被害者側にも10%の過失があるなど）に納得がいかない、または妥当性に疑問がある場合は、法的根拠に基づき専門的な反論を行うために弁護士の力が必要です。

「自分の加入している保険会社が対応してくれるから大丈夫」と考える方もいますが、示談交渉を保険会社任せにすることには、被害者にとって決定的なリスクが伴います。

前述の通り、加害者側の保険会社が提示する金額は「任意保険基準」であり、弁護士基準（裁判基準）より大幅に低く設定されています。

弁護士の介入がない限り、保険会社が自ら最高額の基準で算定することはまずありません。

保険会社は治療費を支払う立場であるため、費用を抑えるために「そろそろ治療を打ち切ってはどうか」と勧めてくることがあります。

医学的な知識がない被害者が、この「治療費の打ち切り」を受け入れてしまうと、まだ痛みが残っているにもかかわらず、その後の治療費や慰謝料が請求できなくなる可能性があります。

交通事故で後遺症が残った場合、後遺障害等級認定を受けることで、将来の労働能力喪失に対する補償（逸失利益）や後遺障害慰謝料を得られます。

この等級認定の手続き（被害者請求）は複雑で、提出する書類が結果を左右します。弁護士は、医学的証拠に基づいた適切な書類作成をサポートし、適正な等級認定を受けられる確率を高めます。

弁護士に依頼することは、費用以上の大きなメリットをもたらします。