交通事故の被害に遭うと、怪我の痛みや将来や生活への不安を抱えながら、保険会社との慣れない交渉をしなければならず「提示された金額で示談していいのか?」「このまま保険会社の言いなりで損をしないか?」などと悩む方は少なくありません。
「交通事故」についてネットで検索をすると「弁護士に依頼すべき」という情報が溢れており「そこまで大ごとにしたくない」「弁護士はハードルが高い」と感じる方も多いでしょう。しかし、結論から言えば、弁護士への相談は「損をしない」ためだけでなく、精神的な負担(ストレス)から解放される非常に有効な手段です。
この記事では、「お金・ストレス・権利」の3つの側面から弁護士に依頼するメリットを解説します。あわせて、多くの方が不安に思う「費用倒れなどのデメリット」についても包み隠さず紹介します。
お金の側面(経済的なメリット)
弁護士に依頼する最大の、そして最も分かりやすいメリットは「受け取れる損害賠償額が増える可能性が高い」ことです。多くの依頼者が驚かれますが、弁護士が保険会社と交渉することで当初提示された金額から大幅に上がる可能性があります。
弁護士(裁判)基準を用いて交渉できる

交通事故の損害賠償額の計算には、3つの異なる基準があります。
- 自賠責基準
-
自賠責保険の損害額算定の基準
- 任意保険基準
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各保険会社が個別に定めた支払い基準
- 弁護士(裁判)基準
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過去の裁判例に基づく最も高額で適正な基準
弁護士が代理人となり交渉をすることで、3つの基準の中で最も金額が高い弁護士(裁判)基準での請求が可能になります。これにより当初提示された金額の2~3倍になることも珍しいことではありません。

過失割合を適正に修正
保険会社が提示する過失割合(責任の割合)は、必ずしも正確ではありません。弁護士は過去の裁判例に基づき、「90対10」を「100対0」にするなど、1%でも有利になるように交渉を行います。イメージがしやすいように参考例を紹介します。
過失割合とは、当事者双方の「不注意(責任)」の大きさを100%中の数字(例:80対20)で表したものです。
過失割合の一例
| 加害者(過失割合80) | 被害者(過失割合20) | |
|---|---|---|
| 損害の総額 | 200万 | 400万 |
| 支払う金額 | 320万円 (400万円の8割) | 40万円 (200万円の2割) |
| 受け取れる金額 | 0円 (40万円-320万円) | 280万円 (320万円-40万円) |
| 加害者 (過失割合80) | 被害者 (過失割合20) | |
|---|---|---|
| 損害の総額 | 200万 | 400万 |
| 支払う金額 | 320万円 (400万円の8割) | 40万円 (200万円の2割) |
| 受け取れる金額 | 0円 (40万円-320万円) | 280万円 (320万円-40万円) |
| 加害者(過失割合90) | 被害者(過失割合10) | |
|---|---|---|
| 損害の総額 | 200万 | 400万 |
| 支払う金額 | 320万円→360万円 (400万円の9割) | 40万円→20万円 (200万円の1割) |
| 受け取れる金額 | 0円→0円 (20万円-360万円) | 280万円→340万円 (360万円-20万円) |
| 加害者 (過失割合90) | 被害者 (過失割合10) | |
|---|---|---|
| 損害の総額 | 200万 | 400万 |
| 支払う金額 | 320万円→360万円 (400万円の9割) | 40万円→20万円 (200万円の1割) |
| 受け取れる金額 | 0円→0円 (20万円-360万円) | 280万円→340万円 (360万円-20万円) |
請求漏れなどの防止
主婦(主夫)の方の家事労働に対する「休業損害」や、将来の減収を補償する「逸失利益」など、不慣れな方では気づきにくい損害項目を漏れなく計上します。また、できるだけ早く弁護士に依頼することによって損害項目と認められにくい出費を未然に防ぐ助言を受けることもできます。
損害項目と認められにくい費用
- タクシー代
-
公共交通機関を利用できるにも関わらずタクシーを使った場合
- 自由診療
-
医師の指示なく自由診療を行った場合
- 不要な代車代
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車がなくても生活に支障がない場合のレンタカー代
ストレスの側面(精神・時間的なメリット)
交通事故の解決には数ヶ月、長ければ1年以上かかります。保険会社との交渉や、書類の作成、手続きなどを自身でこなす必要があります。弁護士に依頼することでこれらの精神的・時間的なストレスから解放されます。
保険会社とのやり取りをすべて代行
弁護士に依頼すると保険会社とのやり取りは弁護士経由で行われます。保険会社の担当者は同時に複数の事件を担当しており、淡々とした事務的な態度に「軽んじられている」と感じることもあるでしょう。
また、治療期間が長引くと「そろそろ治療を打ち切りましょう」と催促が来ることもあります。このあたりから「保険会社は被害者の味方ではない」と感じ不満感を持つ方も多くいます。交通事故で怪我を負い、ただでさえストレスが強いタイミングで、保険会社とのやり取りから解放されるのは弁護士に依頼する大きなメリットになります。

書類・手続きから解放される
示談交渉に必要な資料の準備や書類の作成を代行してもらえるため、手続きに取られる精神的・時間的ストレスから解放されます。
- 交通事故証明書
- 実況見分調書
- 診断書・後遺障害診断書
- 通院交通費等の明細・領収書
- 休業損害証明書など
これらはほんの一部であり、依頼者自身に集めていただく資料も少なくありません。しかし、専門家がその道筋を立てることで、漏れなくスムーズに準備を進めることが可能です。交通事故の被害は人生で何度も経験するものではありませんが、弁護士には多くの実績があり、安心して任せることができます。
権利の側面(適正な手続きができるメリット)
被害者には「発生した損害に対して適正な補償を受ける権利」があります。怪我の治療が終わる(完治・症状固定)と、後遺症が残った場合は「後遺障害認定」そして最終的な解決に向けた「示談交渉」が始まります。
被害者が持つ権利を知らずに示談をすると、後から示談内容を覆すことが難しくなります。そのような事態を避けるためにも、弁護士に依頼して不利益を未然に防ぐことをおすすめします。
後遺障害等級認定のサポート
交通事故で負った怪我が完治せず、体に不調が残ってしまった場合、その症状を「後遺障害」として認定してもらう必要があります。この認定結果(等級)によって、受け取れる賠償額は数百万円、時には数千万円単位で変わります。
弁護士による示談交渉
保険会社との示談交渉において、弁護士に依頼する最大のメリットは、「情報格差」や「交渉力の差」を埋められる点にあります。
保険会社は「交通事故示談交渉のプロ」です。そのようなプロに対して、被害者も交渉のプロである弁護士を味方につけて交渉を行うのが得策です。お金の側面(経済的なメリット)でもお伝えしましたが、弁護士の介入によって「弁護士(裁判)基準」での示談交渉となるので、それだけでも大きなメリットになります。

弁護士に依頼する際のデメリット(注意点)
交通事故被害に遭った場合、弁護士に依頼をするメリットが非常に多いのですが、「費用倒れ」になるデメリットも存在します。
費用倒れとは、弁護士に依頼することで増えた損害賠償金よりも、支払う弁護士費用の方が高くなってしまう状態のことです。
ほとんどの法律事務所では、事前に状況をヒアリングして費用倒れが無い場合のみ依頼を受けることが多いです。不安であれば念のために「費用倒れ」にならないようにしたいと伝えておくのが良いでしょう。
弁護士費用特約がついている場合は、弁護士費用を300万円を上限として保険会社が負担してくれます。300万円を超えるケースは重大事故に限られており、ほとんどの事故について被害者は実質的な自己負担ゼロで弁護士のサポートを受けることができます。
当事務所を含め、交通事故の初回相談は無料の事務所が多いので、交通事故被害に遭った場合はとりあえず相談に行き、信頼ができそうな弁護士を探してみてください。
まとめ
弁護士に依頼するメリットを「お金・ストレス・権利」の3つの側面からご紹介しました。重要な点だけ改めてまとめると以下の通りです。
- お金
-
最も高い「弁護士基準」で適正な賠償金を受け取れる
- ストレス
-
保険会社との煩わしいやり取りや複雑な書類作成から解放される
- 権利
-
後遺障害認定や示談交渉など、法的に正しい手続きで公平な解決ができる
「弁護士に頼むのはハードルが高い」と感じるかもしれませんが、多くの場合は増額される損害賠償額が弁護士費用を上回ります。さらに「弁護士費用特約」を利用すれば、実質的な自己負担なしでサポートを受けることも可能です。
弁護士費用特約が付いていない方でも、仙台青葉ゆかり法律事務所では無料で初回相談を行っています。交通事故に遭いどうしたらよいかわからないという方はぜひご相談ください。

