交通事故に遭いケガの治療が終わっても痛みやしびれなどの後遺症が残る場合があります。そのような場合は、後遺障害等級の認定を受けることで各等級に応じた後遺障害慰謝料や逸失利益などの賠償金を請求することができます。
後遺障害等級11級の慰謝料相場や主な症状や認定基準を分かりやすく解説します。
後遺障害等級11級とは?
後遺障害等級は1級~14級までの16段階に分けられており、そのうち後遺障害等級11級は重度ではないものの、日常生活や仕事に支障をきたす程度の後遺症となります。
損保料率算出機構の発行する「2025年自動車保険の概況 」によると、後遺障害等級11級の認定件数は2,968件に上り、後遺障害認定全体の35,216件に対して、8.43%となります。
後遺障害等級11級 獲得事例

後遺障害等級11級の後遺障害慰謝料
後遺障害等級11級の後遺障害慰謝料は、どの「算定基準」を用いて計算するかによって大きく異なります。慰謝料の算定基準には以下の3つがあります。
後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺症が残ってしまった被害者の「肉体的・精神的苦痛」に対して支払われる賠償金です。
| 算定基準 | 後遺障害慰謝料の額 |
|---|---|
| 自賠責 基準 | 135万円 |
| 任意保険 基準 | 原則非公開 |
| 弁護士 基準 | 420万円 |
- 自賠責基準
-
自賠責保険の損害額算定の基準
- 任意保険基準
-
各保険会社が個別に定めた支払い基準
- 弁護士基準
-
過去の裁判例に基づく最も高額で適正な基準

後遺障害等級11級の逸失利益
後遺障害等級認定を受けると逸失利益を請求することができます。
逸失利益とは、後遺症や死亡によって将来得られるはずだったのに失ってしまった収入に対する補償
逸失利益は、原則として以下の計算式で算出します。
逸失利益の計算式
逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
後遺障害等級11級の場合、労働能力喪失率は原則20%として計算されます。
後遺障害等級11級の主な症状や認定基準
| 11級 | 部位 | 症状 |
|---|---|---|
| 1号 | 眼 | 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
| 2号 | 眼 | 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
| 3号 | 眼 | 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
| 4号 | 口 | 10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
| 5号 | 耳 | 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの |
| 6号 | 耳 | 1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
| 7号 | 背 | 脊柱に変形を残すもの |
| 8号 | 手 | 1手の人差指、中指又は薬指を失ったもの |
| 9号 | 足 | 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの |
| 10号 | 腹部 | 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの |
11級1号:両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
- 著しい調節機能障害
-
調節力(ピントを合わせる力)が通常の場合の1/2以下に減じた状態
- 著しい運動障害
-
頭部を固定した状態で、眼球を動かして直視できる範囲(注視野)の広さが1/2以下に減じた状態
片眼に著しい調節機能障害又は運動障害を残す場合は、後遺障害等級12級1号に該当する。
11級2号:両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
- まぶたに著しい運動障害
-
目を開けたときに黒目がすっぽり隠れてしまう状態
目を閉じても黒目が隠れきらずに白目や黒目がみえてしまっている状態
両眼のまぶたに著しい運動障害を残す場合は、後遺障害等級12級2号に該当する。
11級3号:1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
- まぶたに著しい欠損を残す
-
まぶたを閉じた場合に黒目(角膜)を完全に覆えない程度
11級4号:10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
- 歯科補てつ
-
歯が欠けたり抜けてしまった場合に補てつ物(インプラント・入れ歯など)によって、歯の機能を回復させる治療
歯科補てつを何箇所行うかによって、認定される等級が異なります。
| 補てつ箇所 | 後遺障害等級 |
|---|---|
| 3歯以上 | 14級2号 |
| 5歯以上 | 13級5号 |
| 7歯以上 | 12級3号 |
| 10歯以上 | 11級4号 |
| 14歯以上 | 10級4号 |
11級5号:両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
- 聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度
-
具体的には平均純音聴力レベルが40db以上70db未満になった場合
片耳にこれらの症状が残った場合には、後遺障害等級14級3号に該当します。
11級6号:1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
- 平均純音聴力レベルが70db以上80db未満のもの
- 平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のもの
両耳にこれらの症状が残った場合には、後遺障害等級10級5号に該当します。
11級7号:脊柱に変形を残すもの
- 脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真等により確認できる
- 脊椎固定術が行われた
- 3個以上の脊椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けた
11級8号:1手の人差指、中指又は薬指を失ったもの
- 手指を失ったもの
-
近位指節間関節(第二関節)以上を失った状態
どの指を失ったかによって、認定される等級は異なります。
11級9号:1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
- 第1の足指
-
足の親指
- 指が切断された
- 関節が強直して全く動かせない状態となった
- 末関節の長さの半分以上を失った
- 第二関節、第三関節を失った、可動域が1/2以下に制限された
11級10号:胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
- 呼吸困難のため、健常者と同様には階段の昇降ができないもの
- 心肺機能低下(おおむね8METsを超える強度の身体活動が制限されるもの)
- 残存する空腸および回腸の長さが100cmを超え300cm未満となったものであって、消化吸収障害が認められるもの など
交通事故の後遺症が残ったら弁護士に相談
交通事故後に痛みやしびれなどの後遺症が残ってしまった場合、適切な補償を受けるためには「早い段階で弁護士に相談すること」を強くおすすめします。
- 後遺障害等級の認定確率が高まる
- 弁護士基準を用いて交渉できる
- 保険会社とのやり取りをすべて代行

「自分は11級に該当するのだろうか」「保険会社からの提示額が妥当かわからない」とお悩みの方は、後遺障害申請を行う前の段階から仙台青葉ゆかり法律事務所にご相談ください。後遺障害等級認定のサポートから示談交渉まで被害者に寄り添いサポートさせていただきます。


