交通事故に遭いケガの治療が終わっても痛みやしびれなどの後遺症が残る場合があります。そのような場合は、後遺障害等級の認定を受けることで各等級に応じた後遺障害慰謝料や逸失利益などの賠償金を請求することができます。
後遺障害等級12級の慰謝料相場や主な症状や認定基準を分かりやすく解説します。
後遺障害等級12級とは?
後遺障害等級は1級~14級までの16段階に分けられており、そのうち後遺障害等級12級は重度ではないものの、日常生活や仕事に支障をきたす程度の後遺症となります。
損保料率算出機構の発行する「2025年自動車保険の概況 」によると、後遺障害等級12級の認定件数は5,922件に上り、後遺障害認定全体の35,216件に対して、16.82%となります。
後遺障害等級12級の後遺障害慰謝料
後遺障害等級12級の後遺障害慰謝料は、どの「算定基準」を用いて計算するかによって大きく異なります。慰謝料の算定基準には以下の3つがあります。
後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺症が残ってしまった被害者の「肉体的・精神的苦痛」に対して支払われる賠償金です。
| 算定基準 | 後遺障害慰謝料の額 |
|---|---|
| 自賠責 基準 | 93万円 |
| 任意保険 基準 | 原則非公開 |
| 弁護士 基準 | 290万円 |
- 自賠責基準
-
自賠責保険の損害額算定の基準
- 任意保険基準
-
各保険会社が個別に定めた支払い基準
- 弁護士基準
-
過去の裁判例に基づく最も高額で適正な基準

後遺障害等級12級の逸失利益
後遺障害等級認定を受けると逸失利益を請求することができます。
逸失利益とは、後遺症や死亡によって将来得られるはずだったのに失ってしまった収入に対する補償
逸失利益は、原則として以下の計算式で算出します。
逸失利益の計算式
逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
後遺障害等級12級の場合、労働能力喪失率は原則14%として計算されます。
後遺障害等級12級の主な症状や認定基準
| 12級 | 部位 | 症状 |
|---|---|---|
| 1号 | 眼 | 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
| 2号 | 眼 | 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
| 3号 | 口 | 7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
| 4号 | 耳 | 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの |
| 5号 | 背 | 鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの |
| 6号 | 手 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの |
| 7号 | 足 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの |
| 8号 | 手 足 背 | 長管骨に変形を残すもの |
| 9号 | 手 | 1手の小指を失ったもの |
| 10号 | 手 | 1手の人差指、中指又は薬指の用を廃したもの |
| 11号 | 足 | 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の指を失ったもの |
| 12号 | 足 | 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの |
| 13号 | 神経 精神 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
| 14号 | 醜状 | 外貌に醜状を残すもの |
12級1号:1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
- 著しい調節機能障害
-
調節力(ピントを合わせる力)が通常の場合の1/2以下に減じた状態
- 著しい運動障害
-
頭部を固定した状態で、眼球を動かして直視できる範囲(注視野)の広さが1/2以下に減じた状態
両眼に著しい調節機能障害又は運動障害を残す場合は、後遺障害等級11級1号に該当する。
12級2号:1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
- まぶたに著しい運動障害
-
目を開けたときに黒目がすっぽり隠れてしまう状態
目を閉じても黒目が隠れきらずに白目や黒目がみえてしまっている状態
両眼のまぶたに著しい運動障害を残す場合は、後遺障害等級11級2号に該当する。
12級3号:7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
- 歯科補てつ
-
歯が欠けたり抜けてしまった場合に補てつ物(インプラント・入れ歯など)によって、歯の機能を回復させる治療
歯科補てつを何箇所行うかによって、認定される等級が異なります。
| 補てつ箇所 | 後遺障害等級 |
|---|---|
| 3歯以上 | 14級2号 |
| 5歯以上 | 13級5号 |
| 7歯以上 | 12級3号 |
| 10歯以上 | 11級4号 |
| 14歯以上 | 10級4号 |
12級4号:1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
- 耳殻の大部分を欠損
-
耳殻(目に見えている耳の部分)の軟骨部の1/2以上を欠損した状態
12級5号:鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
- 著しい変形
-
裸になったときに欠損を含む変形が明らかに分かる程度のもの
12級6号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
- 上肢の3大関節
-
肩関節、肘関節、手関節
- 関節の機能に障害
-
関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されている状態
12級7号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
- 下肢の3大関節
-
股関節、膝関節、足関節
- 関節の機能に障害
-
関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの
12級8号:長管骨に変形を残すもの
- 長管骨(上肢)
-
上腕骨、橈骨(とうこつ)、尺骨
- 長管骨(下肢)
-
大腿骨、脛骨(けいこつ)、腓骨(ひこつ)
- 次のいずれかに該当する場合であって、外部から想見できる程度(15度以上屈曲して不正ゆ合したもの)
・大腿骨に変形を残す
・脛骨に変形を残す
・腓骨のみの変形であっても、その程度が著しい場合 - 大腿骨若しくは脛骨の骨端部にゆ合不全を残すまたは腓骨の骨幹部等にゆ合不全を残す
- 大腿骨又は脛骨の骨端部のほとんどを欠損した
- 大腿骨又は脛骨の直径が2/3以下に減少した
- 腿骨が外旋45度以上又は内旋30度以上回旋変形ゆ合している
12級9号:1手の小指を失ったもの
- 小指を失った
-
近位指節間関節(第二関節)以上を失った状態
どの指を失ったかによって、認定される等級は異なります。
12級10号:1手の人差指、中指又は薬指の用を廃したもの
- 手指の末節骨の長さの1/2以上を失った
- 中手指節関節又は近位指節間関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限される
- 親指については、橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の1/2以下に制限されている
- 手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱失した
12級11号:1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の指を失ったもの
- 第2の足指
-
足の人差し指
- 第3の足指以下
-
足の中指、薬指、小指
12級12号:1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
- 第1の足指
-
足の親指
- 指が切断された
- 関節が強直して全く動かせない状態となった
- 末関節の長さの半分以上を失った
- 第二関節、第三関節を失った、可動域が1/2以下に制限された
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
- 局部
-
交通事故などでケガをした、体の特定の部位(首・肩など)
- 神経症状
-
痛み、痺れ、知覚麻痺(感覚が鈍い)、違和感など
むち打ち症や外傷後に残りやすい代表的な神経症状には、「頭痛」「疼痛(痛み・しびれ)」「めまい」などがあります。
| 症状の種類 | 主な症状内容 |
|---|---|
| 頭痛 | 事故後から継続する後頭部痛、締め付けられるような痛みなど |
| 疼痛 (痛み・しびれ) | 首・肩・腰の痛み、手足へ放射するしびれ、知覚麻痺など |
| めまい | フラつき、立ちくらみ、事故後に発生した不快感など |
後遺障害等級14級9号の局部に神経症状を残すものとの違いは、症状が神経学的検査結果や画像所見などの他覚的所見により、医学的に証明できるものかどうかとなります。
12級14号:外貌に醜状を残すもの
- 外貌
-
頭部、顔、首などの日常的に人目に付く露出している部位
- 醜状
-
傷跡、やけど跡、ケロイドなど
交通事故の後遺症が残ったら弁護士に相談
交通事故後に痛みやしびれなどの後遺症が残ってしまった場合、適切な補償を受けるためには「早い段階で弁護士に相談すること」を強くおすすめします。
- 後遺障害等級の認定確率が高まる
- 弁護士基準を用いて交渉できる
- 保険会社とのやり取りをすべて代行

「自分は12級に該当するのだろうか」「保険会社からの提示額が妥当かわからない」とお悩みの方は、後遺障害申請を行う前の段階から仙台青葉ゆかり法律事務所にご相談ください。後遺障害等級認定のサポートから示談交渉まで被害者に寄り添いサポートさせていただきます。


