交通事故に遭いケガの治療が終わっても痛みやしびれなどの後遺症が残る場合があります。そのような場合は、後遺障害等級の認定を受けることで各等級に応じた後遺障害慰謝料や逸失利益などの賠償金を請求することができます。
後遺障害等級10級の慰謝料相場や主な症状や認定基準を分かりやすく解説します。
後遺障害等級10級とは?
後遺障害等級は1級~14級までの16段階に分けられており、そのうち後遺障害等級10級は日常生活や仕事において明確な支障・制限が生じる程度の後遺症となります。
損保料率算出機構の発行する「2025年自動車保険の概況 」によると、後遺障害等級10級の認定件数は1,249件に上り、後遺障害認定全体の35,216件に対して、3.55%となります。
後遺障害等級10級の後遺障害慰謝料
後遺障害等級10級の後遺障害慰謝料は、どの「算定基準」を用いて計算するかによって大きく異なります。慰謝料の算定基準には以下の3つがあります。
後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺症が残ってしまった被害者の「肉体的・精神的苦痛」に対して支払われる賠償金です。
| 算定基準 | 後遺障害慰謝料の額 |
|---|---|
| 自賠責 基準 | 187万円 |
| 任意保険 基準 | 原則非公開 |
| 弁護士 基準 | 550万円 |
- 自賠責基準
-
自賠責保険の損害額算定の基準
- 任意保険基準
-
各保険会社が個別に定めた支払い基準
- 弁護士基準
-
過去の裁判例に基づく最も高額で適正な基準

後遺障害等級10級の逸失利益
後遺障害等級認定を受けると逸失利益を請求することができます。
逸失利益とは、後遺症や死亡によって将来得られるはずだったのに失ってしまった収入に対する補償
逸失利益は、原則として以下の計算式で算出します。
逸失利益の計算式
逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
後遺障害等級10級の場合、労働能力喪失率は原則27%として計算されます。
後遺障害等級10級の主な症状や認定基準
| 10級 | 部位 | 症状 |
|---|---|---|
| 1号 | 眼 | 1眼の視力が0.1以下になったもの |
| 2号 | 眼 | 正面を見た場合に複視の状態を残すもの |
| 3号 | 口 | 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの |
| 4号 | 口 | 14歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
| 5号 | 耳 | 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの |
| 6号 | 耳 | 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの |
| 7号 | 手 | 1手の親指又は親指以外の2の手指の用を廃したもの |
| 8号 | 足 | 1下肢を3cm以上短縮したもの |
| 9号 | 足 | 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの |
| 10号 | 手 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
| 11号 | 手 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
10級1号:1眼の視力が0.1以下になったもの
- 視力
-
裸眼視力だけではなくメガネやコンタクトレンズで矯正した視力
事故前後で視力が悪化したかどうかを証明するため、事故前の視力と症状固定時の正確な測定結果が必要となります。
10級2号:正面を見た場合に複視の症状を残すもの
- 複視の症状
-
1つの物が2つ(またはそれ以上)に見える症状
自覚症状だけでなく、等級認定には専門的検査や医師の所見が必要となります。
- 自覚症状
- 眼筋の麻痺等複視を残す明らかな原因があること
- ヘススクリーンテストで5度以上のずれがある
また、正面以外を見ているときに複視の症状が生じる場合は、後遺障害等級13級2号に該当します。
10級3号:咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
- 咀嚼の機能に障害を残す
-
ある程度固形食は摂取できるが、これに制限があって、咀嚼が十分でない状態
- 言語の機能に障害を残す
-
4種の語音のうち、1種の発音ができない状態
- 口唇音(ま行音、ば行音、ぱ行音、わ行音、ふ)
- 歯舌音(な行音、た行音、だ行音、ら行音、さ行音、しゅ、し、ざ行音、じゅ)
- 口蓋音(か行音、が行音、や行音、ひ、にゅ、ぎゅ、ん)
- 喉頭音(は行音)
10級4号:14歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
- 歯科補てつ
-
歯が欠けたり抜けてしまった場合に補てつ物(インプラント・入れ歯など)によって、歯の機能を回復させる治療
歯科補てつを何箇所行うかによって、認定される等級が異なります。
| 補てつ箇所 | 後遺障害等級 |
|---|---|
| 3歯以上 | 14級2号 |
| 5歯以上 | 13級5号 |
| 7歯以上 | 12級3号 |
| 10歯以上 | 11級4号 |
| 14歯以上 | 10級4号 |
10級5号:両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
- 両耳の平均純音聴力損失値が40dB以上
- 両耳の平均純音聴力損失値が30dB以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下
10級6号:1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
- 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度
-
1耳の平均純音聴力損失値が70dB以上
10級7号:1手の親指又は親指以外の2の手指の用を廃したもの
- 手指の末節骨の長さの1/2以上を失った
- 中手指節関節又は近位指節間関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限される
- 親指については、橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の1/2以下に制限されている
- 手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱失した
10級8号:1下肢を3cm以上短縮したもの
骨折などの影響で、骨盤の出っ張りから足の内くるぶしまでの長さを測ったとき、怪我をしていない側の足よりも短くなった状態です。たった数cmと思うかもしれませんが、左右の脚の長さに差ができると、歩くときに体が左右に傾いてギクシャクしたり、腰や膝に負担がかかって痛みの原因になったりします。
何cm短くなったかによって等級が異なります。
| 短縮した長さ | 後遺障害等級 |
|---|---|
| 1cm以上 | 13級8号 |
| 3cm以上 | 10級8号 |
| 5cm以上 | 8級5号 |
10級9号:1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
- 第1の足指
-
足の親指
- 足指を失ったもの
-
中足指節関節(付け根の関節)から先をすべて失った状態
10級10号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
- 上肢の3大関節
-
肩関節、肘関節、手関節
- 関節の機能に著しい障害
-
関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されている状態
10級11号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
- 下肢の3大関節
-
股関節、膝関節、足関節
- 関節の機能に著しい障害
-
関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されている状態
交通事故の後遺症が残ったら弁護士に相談
交通事故後に痛みやしびれなどの後遺症が残ってしまった場合、適切な補償を受けるためには「早い段階で弁護士に相談すること」を強くおすすめします。
- 後遺障害等級の認定確率が高まる
- 弁護士基準を用いて交渉できる
- 保険会社とのやり取りをすべて代行

「自分は10級に該当するのだろうか」「保険会社からの提示額が妥当かわからない」とお悩みの方は、後遺障害申請を行う前の段階から仙台青葉ゆかり法律事務所にご相談ください。後遺障害等級認定のサポートから示談交渉まで被害者に寄り添いサポートさせていただきます。


