交通事故に遭いケガの治療が終わっても痛みやしびれなどの後遺症が残る場合があります。そのような場合は、後遺障害等級の認定を受けることで各等級に応じた後遺障害慰謝料や逸失利益などの賠償金を請求することができます。
後遺障害等級14級の慰謝料相場や主な症状や認定基準を分かりやすく解説します。
後遺障害等級14級とは?
後遺障害等級は1級~14級までの16段階に分けられており、そのうち後遺障害等級14級は最も低い等級となります。そのため請求できる後遺障害慰謝料や逸失利益の相場も最も低くなります。
損保料率算出機構の発行する「2025年自動車保険の概況 」によると、後遺障害等級14級の認定件数は19,589件に上り、後遺障害認定全体の35,216件に対して、55.63%となり半数以上を占めています。
後遺障害等級14級 獲得事例
後遺障害等級14級の後遺障害慰謝料
後遺障害等級14級の後遺障害慰謝料は、どの「算定基準」を用いて計算するかによって大きく異なります。慰謝料の算定基準には以下の3つがあります。
後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺症が残ってしまった被害者の「肉体的・精神的苦痛」に対して支払われる賠償金です。
| 算定基準 | 後遺障害慰謝料の額 |
|---|---|
| 自賠責 基準 | 32万円 |
| 任意保険 基準 | 原則非公開 |
| 弁護士 基準 | 110万円 |
- 自賠責基準
-
自賠責保険の損害額算定の基準
- 任意保険基準
-
各保険会社が個別に定めた支払い基準
- 弁護士基準
-
過去の裁判例に基づく最も高額で適正な基準

後遺障害等級14級の逸失利益
後遺障害等級認定を受けると逸失利益を請求することができます。
逸失利益とは、後遺症や死亡によって将来得られるはずだったのに失ってしまった収入に対する補償
逸失利益は、原則として以下の計算式で算出します。
逸失利益の計算式
逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
後遺障害等級14級の場合、労働能力喪失率は原則5%として計算されます。
後遺障害等級14級の主な症状や認定基準
| 14級 | 部位 | 症状 |
|---|---|---|
| 1号 | 眼 | 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの |
| 2号 | 口 | 3歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
| 3号 | 耳 | 1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの |
| 4号 | 手 | 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの |
| 5号 | 足 | 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの |
| 6号 | 手 | 1手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの |
| 7号 | 手 | 1手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの |
| 8号 | 足 | 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの |
| 9号 | 神経 精神 | 局部に神経症状を残すもの |
14級1号:1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
- まぶたの一部に欠損
-
まぶたを閉じても白目が見えている状態
- まつげはげ
-
まつげの生えている部分の1/2以上にわたってまつげが生えてこなくなった状態
両目にこれらの症状が残った場合は、後遺障害等級13級4号に該当します。
14級2号:3歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
- 歯科補てつ
-
歯が欠けたり抜けてしまった場合に補てつ物(インプラント・入れ歯など)によって、歯の機能を回復させる治療
歯科補てつを何箇所行うかによって、認定される等級が異なります。
| 補てつ箇所 | 後遺障害等級 |
|---|---|
| 3歯以上 | 14級2号 |
| 5歯以上 | 13級5号 |
| 7歯以上 | 12級3号 |
| 10歯以上 | 11級4号 |
| 14歯以上 | 10級4号 |
14級3号:1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
- 聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度
-
具体的には平均純音聴力レベルが40db以上70db未満になった場合
両耳にこれらの症状が残った場合には、後遺障害等級11級5号に該当します。
14級4号:上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
- 上肢の露出面
(自賠責基準) -
肩関節から指先まで
- 上肢の露出面
(労災基準) -
ひじ関節から指先まで
- 醜いあと
-
傷跡、やけど跡、ケロイドなど
14級5号:下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
- 下肢の露出面
-
股関節から足先まで
- 醜いあと
-
傷跡、やけど跡、ケロイドなど
14級6号:1手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
- 手指の指骨の一部を失った
-
指の骨の一部が切断・欠損していたり、遊離骨片(骨の破片が離れている状態)が骨折後も残っている状態
レントゲン(X線)やCTなどの画像上で骨の欠損が明確に確認できる必要があります。
14級7号:1手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
- 遠位指節間関節
-
指の第一関節
- 手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
-
指の第一関節が完全に固まって動かない(強直)、または可動域が通常の原則50%以下に制限された状態
14級8号:1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
- 第3の足指以下
-
足の中指、薬指、小指
- 指が切断された
- 関節が強直して全く動かせない状態となった
- 末関節の長さの半分以上を失った
- 第二関節、第三関節を失った、可動域が1/2以下に制限された
14級9号:局部に神経症状を残すもの
- 局部
-
交通事故などでケガをした、体の特定の部位(首・肩など)
- 神経症状
-
痛み、痺れ、知覚麻痺(感覚が鈍い)、違和感など
むち打ち症や外傷後に残りやすい代表的な神経症状には、「頭痛」「疼痛(痛み・しびれ)」「めまい」などがあります。
| 症状の種類 | 主な症状内容 |
|---|---|
| 頭痛 | 事故後から継続する後頭部痛、締め付けられるような痛みなど |
| 疼痛 (痛み・しびれ) | 首・肩・腰の痛み、手足へ放射するしびれ、知覚麻痺など |
| めまい | フラつき、立ちくらみ、事故後に発生した不快感など |
12級13号のように「画像上の明確な異常(他覚所見)」が見られない14級9号では「症状の存在が医学的に説明できるか」が最大のポイントとなります。具体的な要件は以下の3つです。
- 症状の一貫性と連続性がある
- 継続的な通院歴がある
- 事故の規模(衝撃)と症状が見合っている
14級9号のむち打ち症などの神経症状は、目に見えない障害だからこそ「事故直後からのしかるべき検査・通院実績・症状の主張」を客観的に残していくことが等級認定獲得のポイントとなります。
交通事故の後遺症が残ったら弁護士に相談
交通事故後に痛みやしびれなどの後遺症が残ってしまった場合、適切な補償を受けるためには「早い段階で弁護士に相談すること」を強くおすすめします。特に自覚症状がメインとなる神経症状では、弁護士へ相談・依頼することで以下のような大きなメリットが得られます。
- 後遺障害等級の認定確率が高まる
- 弁護士基準を用いて交渉できる
- 保険会社とのやり取りをすべて代行

「自分は14級に該当するのだろうか」「保険会社からの提示額が妥当かわからない」とお悩みの方は、後遺障害申請を行う前の段階から仙台青葉ゆかり法律事務所にご相談ください。後遺障害等級認定のサポートから示談交渉まで被害者に寄り添いサポートさせていただきます。




